社会人として数年が経つと、「このままでいいのだろうか」と自問する瞬間が訪れます。今回ご紹介するのは、資格取得を契機にキャリアが動き出した3名の社会人の実体験です。どの方も忙しい中で学ぶ時間を見つけ、自らの未来に向き合いました。合格までのプロセスはもちろん、その後の変化や現在の心境も率直に語っていただいています。
ITサービスマネージャ試験に挑戦したAさんの昇進ストーリー
資格取得の背景
Aさんは、IT企業のシステム部門で約10年勤務する中、後輩の育成やプロジェクトマネジメントを任される機会が増えました。その中で「自分の言葉に説得力を持たせるためには、明確な根拠が必要だ」と感じ、業務と密接な関連があるITサービスマネージャ試験に挑戦。合格を通じて仕事への自信を深めたいと考えたそうです。
学び方の工夫
平日は業務後の夜2時間、休日は朝の時間を使って勉強を続けました。午後試験の記述式対策には苦戦しましたが、これまで関わった案件を題材に、自らの経験を具体的に書き起こす対策ノートを作成。「過去問をただ解くだけでなく、自分の言葉で書き直すと記憶に残り、理解が深まる」と実感したとのことです。
試験後の変化
合格後は社内でプロジェクトリーダーを任され、若手からも信頼を集める存在に。年内には正式に課長に昇進する予定です。「自分の努力が評価されたと感じ、頑張って良かった」と語るAさんの表情には、晴れやかな自信が感じられました。
セキュリティの専門家へ転身したHさんの転職体験
目指した理由
Hさんは、社内SEとして働く中、システムトラブル対応の日々に疑問を抱き、自分の価値をより発揮できる環境を求めるようになりました。そこで、成長が期待できるセキュリティ分野に目をつけ、情報処理安全確保支援士試験に挑戦。社内で不足していた専門性を補うことで、キャリアの幅を広げたいと考えたそうです。
勉強と気持ちの切り替え
勉強開始当初は専門用語が多く理解に苦しんだそうですが、「このままではいけない」という強い思いから、出勤前の早朝やカフェでの夜間学習を習慣化。次第に「資格取得のための勉強」ではなく、「新たな知識を得る楽しさ」を感じるようになり、それが継続の原動力となりました。
転職と新しい働き方
合格から3ヶ月後、セキュリティ専門企業へ転職。新たな環境では専門性が求められ戸惑いもあったものの、「ゼロから学び直したことで、恐怖よりも好奇心が勝った」と前向きに捉えています。現在はチームの一員として、セキュリティ対策の立案から運用までを担当し、後輩の育成にも取り組んでいます。
キャリアコンサルタントとして再出発したMさんの物語
人の話を聞く力を仕事に
Mさんは、営業、事務、人事などさまざまな職種を経験する中で、「誰かの転機に関わる仕事がしたい」と感じるようになりました。そこで、これまでの経験を活かしながら支援できる国家資格であるキャリアコンサルタントに注目。養成講座を受講する決意を固めたそうです。
学び直すことの難しさと面白さ
「人の話を聴く」は一見簡単なようで奥深いものです。講座で学んだ傾聴やカウンセリング技法に触れるたび、これまでの自分の対応を見直す機会となりました。実技試験に向け、模擬面接を繰り返し、家族の協力も得ながら改善に努めたエピソードから、真剣に資格取得に取り組んだ姿勢が伝わってきます。
活動の場が広がった
資格取得後は、地域の就労支援センターで非常勤相談員として勤務し、現在はフリーランスとしてキャリア相談やセミナー講師も務めています。「資格を取ったことはゴールではなく、新たな学びの始まり。それがとても楽しい」と笑顔で語るMさんの姿は印象的でした。
終わりに:資格が与える「きっかけ」の大きさ
今回のインタビューから、資格そのものがキャリアを変えるのではなく、変革への意志に具体的な形を与える存在であると感じました。Aさん、Hさん、Mさんはいずれも現状への違和感や挑戦への思いを抱き、資格取得を通してその意志を行動に移しました。
キャリアに迷いを感じる方や閉塞感を抱える方にとって、資格は新たな扉を開くきっかけとなるでしょう。私自身も、皆さんの挑戦に勇気をもらいました。今後も実際の体験談をお届けしていきますので、次回のインタビューもぜひご期待ください。